2022年2月17日 19:30
永瀬正敏「日本の引きの美学は通用しない」海外で活躍し続ける理由
似たようなキャラクターはいると思いますが、アプローチ方法や演出によって表現の仕方も変わっていくおもしろさがある役ですから。そういう出会いがまたあればうれしいです。
―撮影は約3年前ということなので、昨今の現場とは違うところもあったのではないかなと。あのときだからできたこともあるのでしょうか。
永瀬さんおそらくそれはあると思います。いまはコロナ禍で生まれた新しいスタンダードができていますが、僕にとってはそれまで当たり前だと思っていたやり方で撮ることができた最後のほうの現場ですから。
あと、マリを演じたルシアさんは映画初出演でしたが、初めてだったからこそ彼女の「ドンときやがれ」みたいな感じが出せたのかなと。経験や勉強を積み重ねると違う表現の出し方が身についてくるので、そうではないものが見られたのはよかったです。
台湾の人たちは、切り替えるのがうまい
―ルシアさんとのシーンでは息を飲むような過激な場面も多かったですが、意識されていたことは?
永瀬さん彼女は現場に入った時点ですでにマリとして存在してくれていたので、僕が余計なことをする必要はありませんでした。彼女自身の真ん中にある“骨”の部分がブレることは一切なかったので、それは大したもんだなと。