2022年4月3日 19:50
尾上右近「過去の自分は…」盟友・中村壱太郎に明かした本音
本展では、その記録をもとに、会心の出来には三ツ星など、作品に星がつけられていますが、そのような画家の姿勢をどう思いますか?
右近さん目に見える絵画作品の場合は、いやでも冷静に評価が見えてきますよね。僕らは毎日同じことをやっていても、毎日コンディションも違うしお客さまも違うし、お互いのコンディションも違うし、状況が毎日違うので、自己評価の仕方が難しいです。常に揺れ動いているものなので、実態がわからない。後から振り返るとわかるときもありますが、この時が良かったというのは120パーセントないです。
壱太郎さん清方先生の絵は、このまま一生残っていきますが、僕らの演技はその瞬間でしか残らない。だからこそステキさがあると思うので、その意味で評価の仕方は絵とは違うと思います。ただ、自己評価というより、仲間がいるから目指せるものはあるので、高め合いは常に意識しています。
右近さん例えば過去の映像を見ると「ひどいな」と自分で思うのです。
なんでこんなに拙いことやっているんだ、と。過去の自分は常に良くない、というのが植え付けられているので、冷静に判断ができない。成長がどこにあるのか、自分ではまったくわからないのです。