2022年5月26日 19:00
名家の後継ぎとメイドの許されぬ恋…フランス人監督がラブシーンに込めた意図
階級的にはポールが支配する側で、ジェーンが支配される側ですが、裸で向き合っているときは対等な関係。屋敷のなかを裸で歩き回るシーンでも、彼女は誰に許可を求めることなく、自分の意志でそこに存在しているのです。
そういった彼女の姿を通して若い女性たちに伝えたいのは、社会的な階級や性別といったもので自分を制限することなく、自由を手にしてほしいということ。これから先の人生では、みなさんの自信を打ち砕くような言葉と直面することもあるかもしれません。実際、社会では女性にとってはまだまだ障害があるのが現実ですが、そんななかでもジェーンのように自分にふさわしい場所というのを見つけてもらえたらと願っています。
―本作では、そういった意味を持つセックスシーンやジェーンが裸で屋敷を歩くシーンが本当に美しく描かれていたのが印象的でした。センシティブな場面を撮影する際、どのようなことに気をつけて取り組まれているのでしょうか。監督まず、私が女性監督であることと、女優活動をしていたときにヌードシーンの経験があるという点において、すでにほかの監督とは大きな違いがあると思っています。
そして、信頼関係も必要になってきますが、特に男性監督だったら、女性に対してよりデリケートな対応が求められることもあるかもしれませんね。