2022年7月8日 21:10
間宮祥太朗「今やる意味があると思った」 不朽の名作『破戒』に挑む
それは、熱量の配分というより、結末に向かうために進むべき道を通るという感覚かな。プレッシャーを感じていた重要なシーンだったので、撮り終えたあとは、ホッとしました」
一方で、石井杏奈さん演じる志保と、言葉は交わさなくとも惹かれ合う描写が、とても美しい。
「言葉もツールも多い今の時代とは違い、丑松と志保の、気持ちを隠しているのに溢れ出てしまう感じは、僕もすごく素敵だと思う。可愛らしい二人を、もどかしく感じてもらえたらいいなって。また、繊細な表情の移ろいや、あえて丑松の面持ちがわからないように後頭部だけを撮ることで、どんな表情をしているんだろうと、観ている人が作品にまた一歩近づくと思っていて。そんな、説明しすぎない余白みたいなものを生み出した、監督の手腕も活きていると思います。丑松を演じた僕が思う『破戒』があり、みなさんがそれぞれ感じる『破戒』があるはず。そうやって、この作品が広がって、想いが増えていけば嬉しいです」
映画やドラマなど、出演作をどんどん増やし、多彩なお芝居でエンターテインメントを届けてくれる間宮さんが、役者として大切にしているのはどんなことだろう。
「(少し考えて)作品や役によって、大切にしていることが変わることかな。