2024年4月16日 21:00
ロダンが衝撃を受けた名作も! 20世紀彫刻のパイオニア・ブランクーシの創作活動を一望する展覧会
例えば、画家で彫刻家のマルセル・デュシャンがお金のなかった時代には、自分の作品をデュシャンに渡し、それを売ってお金にすることをよしとした。写真家のマン・レイからは写真を教わり、自分のアトリエ内に暗室を作り、自らの作品をカメラにおさめて記録した。また、イサム・ノグチはパリでブランクーシの助手となり、それが抽象彫刻家としてのキャリアに舵を切るきっかけになったともいわれている。
そうした数々の知人たちとの交流も糧に、彫刻家にもかかわらず、絵画や写真も手掛け、横断的に作品にアプローチする彼は、当時の芸術家としては驚くほど進歩的な人物だったと称賛する専門家も多い。
自身の作品を「抽象ではなく本質を表現した具象だ」と語った彼は、どうやってその境地に至ったのだろうか。本展を見れば、彼の頭の中を知ることができるかもしれない。
男女の抱擁を直方体で表現した、ロダンも衝撃を受けた名作。
コンスタンティン・ブランクーシ《接吻》1907‐10年、石膏、石橋財団アーティゾン美術館
テンペラ画で表現された青年の力強い立ち姿。
コンスタンティン・ブランクーシ《スタンディング・ボーイ》1913年頃、テンペラ・紙、メナード美術館
抽象的なフォルムで鳥が飛ぶという本質を表現したフレスコ画。