2016年7月30日 19:00
【独女のたわごとvol.24】“叶わぬ恋”は刺激的? ミア・ワシコウスカ主演『ボヴァリー夫人』
世界文学史に燦然と輝く“不倫小説”の名作の映画化です。主人公はエマ(ミア・ワシコウスカ)。華やかな結婚生活に憧れて年上の医師と結婚しますが、現実は――田舎町は退屈で、夫も実は退屈な人で、自分自身も何をするわけでもない退屈な日々で…。
そんなある日、エマは若く美しい青年と出会い恋に落ちちゃうんですね。でもって、いろいろあってその彼が去ると悲しみを埋めるために別の男性との情事に溺れる…。そう、何をしても埋まらない寂しさを夫以外の別の愛で埋めようとしたわけです。危険すぎます。仕事熱心で、多少退屈な人かもしれないですが、はたから見たら夫はとても素敵な人。
でも、エマが求めていたのはロマンチックな“恋愛”だった。夫が不憫でならない…(ですが、そういう女性を選んだのは彼ですから、まあ、どっこいどっこい?)。
自由奔放に愛を求めすぎた女性が、どんな転落をするのかが残酷なまでに描かれます。叶わぬ恋についてしっとり考えごとをするはずが、ホラー並みにぞっとしてしまいました。思ったのは、恋愛体質の女性が恋愛に溺れないために必要なのは、やりがいのある“何か”を持っていること。仕事でもいい、趣味でもいい、人生が退屈にならないための何かです。