2017年9月20日 20:00
【シネマVOYAGE】“ナミヤ雑貨店”のあの町へ…大分県・豊後高田が残した昭和の街並み
映画を観て「実際にあの場所に行ってみたい」と思うことはたくさんあるだろう。画になるカフェ、美しい海岸、歴史的建造物、眺めのいい丘…映画の登場人物たちがいた場所は特別に感じるものだ。特定の場所だけでなく、その町全体が映画の舞台となっていたとしたら、もちろんその町には行かずにいられない。
映画『ナミヤ雑貨店の奇蹟』は、大分県の豊後高田(ぶんごたかだ)にある“昭和の町”で撮影された。“昭和の町”とはその名前の通り、昭和30年代の街並みを再現した街だ。先日、実際に豊後高田を訪ねる機会があったが、本当にタイムスリップしたかのような懐かしい風景が広がっていた。
なぜ、豊後高田に“昭和の町”があるのか。豊後高田は、江戸時代・明治・大正・昭和30年代にかけて国東半島で最も栄えた町だったそうで、その活気を甦らせようというプロジェクトが“昭和の町”だった。時代の流れに合わせて近代化させるのではなく、消えつつある昭和の街並みを大切に残すことを選んだ。テーマパークではなく、その商店街で人々が実際にお店を営んでいる、生活している、なんともノスタルジーな街だ。映画の舞台となる“ナミヤ雑貨店”のセットは、宮町商店街の一画に建てられた。