2017年9月22日 16:00
【インタビュー】吉高由里子 2年間の充電期間を経て「やっぱり自分が引きずられるような作品が好き」
メイクはほとんどしていないように見えるメイクです。生きたいという性(さが)を感じないように仕上げてもらっています」。
衣装やメイクはもちろん美紗子を演じる手助けになったそうだが、彼女の内面、どういう人物であるのかを説明するのは「すごく難しいけれど…」と説明する。
「洋介と出会う前までは、美紗子は愛することもそこから生まれる感情も知らなかった。でも、愛情を知ってしまったことで、怖い、嬉しい、寂しい…生きたいと感じてしまった。生きたいと思う性に戸惑いながら過ごしている女性です。物語としてはミステリーから始まりますが、そこからラブストーリーになっていく。それは(ロマンス的なラブストーリーではなく)、みんなそれぞれ誰かを守ろうとすることで、愛情がこんがらがっていく物語。
男女の愛だけではない、家族の愛、血のつながりとか…ですね」。
人の死を味わうことと人から愛されること、どちらにもユリゴコロを感じる美紗子。それだけでも難役だが、美紗子の心情はナレーションとして語れるため、吉高さんのお芝居としてのセリフはかなり少なく、しかも受けの芝居。このキャラクターを演じられる女優はそうそういない、吉高由里子だからこそ成立していると思える圧倒的な演技だ。