2020年11月24日 18:00
宇宙からブラジルにフォーカス…『バクラウ』オープニング映像の意図とは?監督明かす
ブラジル片田舎の村で起こる不可解な出来事と暴力の災禍を描き、世界最高峰の第72回カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞しブラジルに初めての栄冠をもたらした怪作『バクラウ地図から消された村』。公開に先駆け、壮大な宇宙から南米大陸に次第にフォーカスしていく印象的なオープニング映像が解禁された。
前作『アクエリアス』で映画界を席巻したブラジルの俊英クレベール・メンドンサ・フィリオ監督が本作で描くのは、現代に警鐘を鳴らす暴力に彩られた寓話的世界。
今回特別に解禁されたオープニング映像は、宇宙から始まり、カメラはそこから見下ろした美しい星=地球、やがて南米大陸にフォーカスしていく。その先に映し出されるのは、ブラジル北東部の田舎町バクラウに向かって走る車。テロップには「今から数年後…」の文字。
印象的なこのオープニングについて、フィリオ監督は「普通は映画の中でこのように地球から何処かの土地へとフォーカスされる(SF的な表現を使う)としたら、殆どの場合、その先は北米かヨーロッパでしょう。そこが(今のブラジルの地域的な視点を突き詰めたいと考えていた本作にとって)面白いアイデアだと思いました」と、ブラジル北東部という土地の地域性が本作の重要なポイントであると語る。