2022年3月9日 12:10
【インタビュー】小松菜奈×坂口健太郎 今までとは違ったステージに――「大きなものが変わった」
「こういう感情になる和人もいるだろうし、こっちの感情になる和人もいるだろうし」とカメラを回したことはすごく覚えています。
例えば、焼鳥屋さんで玄さん(リリー・フランキー演じる和人のバイト先の店主)と話した後、茉莉ちゃんの元に走っていくシーンも、実はいろいろな感情の吐き方を撮りました。ラストの和人の歩いた最後の表情も、3~4パターンは撮っています。監督には「そのときに組んでみて、一番いいところをチョイスすると思う」と言われていましたし、僕もそうであるべきだなと思いました。だって、感情は一色ではないから。自分の中で整理がつく感情をいろいろ撮って、そこで一番いい形で歯車を合わせる作業をこの作品ではやっていましたね。
『余命10年』は「生きた証」「大きなものが変わる作品」
――小松さん、坂口さんの今のお話をずっと「うん、うん」と熱心に聞いていらっしゃいました。改めて、作品への思いはひとしおでしょうか?
小松:本当に、そうですね。オファーをいただいたとき…そのとき監督が話している目から、もう違ったんです。だからこそ簡単には「やります」と言えなくて、すごく覚悟が必要な作品でした。
撮影に入ってから、監督とは「大げさな演出はやめよう」