くらし情報『女の節目~人生の選択 (4) vol.4「初めての、遅刻」【6歳】』

2014年10月17日 11:00

女の節目~人生の選択 (4) vol.4「初めての、遅刻」【6歳】

その義務を怠れば、保護者ではなく私が責められるのだ。

ママが「よかった」と思っても、私はそれじゃ「よくない」よ……。大袈裟に言えば、家庭教育の中で世間一般とは少々ズレた価値観を植えつけられてきた子供が、新たな社会集団への所属を機に新たな価値観を得た、そんな「節目」だった。世の中には、私のまだ知らない、親からは学べない、想像も及ばない規律に従って回っているシステムがある。その渦の中へ飛び込むことが決まったなら、約束事をきちんと把握してその通り振る舞わなければ、最後まで泳ぎきることができない。

厄介事を起こすマドレーヌが、その奇行ゆえに他の女児たちと明確に区別される、あの絵本が好きじゃなかった。あんなふうにして物語のヒロインになるのは御免だ。私はプリンセスでも、問題児でもない。
目立たず平和に穏やかに、優等生としてソツなく学校生活を送るんだ。……と固く決意したものの、カエルの子はカエル。その後の私の学校生活は、間を取って「優等生で問題児」といったような評価に落ち着いていった。朝礼のある曜日は、三度に一度は遅刻した。夏休みの宿題には締切を過ぎてからようやく着手する。保護者のサインが必要な提出物はさらに遅れ、家で紛失した書類を期日を過ぎて再発行してもらったこともある。

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