2015年12月11日 10:00
地球最後の秘境・深海はどんな世界? - 超深海をめざす「しんかい12000」 (3) 実現に向けて始動! 最大の課題は「ガラス球」
会議では無人探査も含めた深海探査システムとして何が必要か、ということを学識経験者も含めて議論されるようです。
―今までは議論の俎上にあがっていなかった「しんかい12000」について、国の問題としての議論がようやく始まるわけですね。大きなステップアップですね
磯崎: はい。有人無人も当然議論されると思いますが、次世代に何が必要かという議論が始まる第一歩だと思っています。
―ちなみにもし「しんかい12000」を建造した場合、予算規模はどのくらいですか?
磯崎:学術会議の検討では、トータルでざっと約500億円と想定しています。300億円が「しんかい12000」で、200億円が母船です。ちなみに「しんかい6500」は125億円、支援母船よこすかが75億円。トータルで200億円です。
―日本の国際宇宙ステーションに対する年間予算が300数十億円ですから、それと比較すると2年分弱ですね
磯崎:そうですね。私たちも費用対効果の意識をもって、6Kと比べて長い時間、多くの目で見れば新しいものを発見するチャンスが増えると伝えていきたいと思っています。
○技術的課題はガラス球
―技術的な課題として、気になるのはフルビジョンのガラス球ですが
磯崎:ガラスは非常に強い材料です。