2015年12月11日 10:00
地球最後の秘境・深海はどんな世界? - 超深海をめざす「しんかい12000」 (3) 実現に向けて始動! 最大の課題は「ガラス球」
東京タワーの展望台の床にガラスがありますよね。あそこは誰も立ち入りを制限していません。飛び跳ねても大丈夫なのです。上海のテレビ塔の床にはガラスがいっぱい広がっています。本当はガラスは強いのです。何が問題かといえば、強いけれどパリンと一瞬で割れること。鉄は粘りがあるのですけどね。
―東京の町工場が作った「江戸っ子一号」はガラスを使って水深7800mまで潜りましたね
磯崎:そうですね。
ただ「江戸っ子1号」は無人の探査機です。「しんかい12000」は人が乗りますから、万が一にも割れてはいけない。ガラスには高級時計のサファイアガラスなどいろいろな種類があります。きれいに磨けば強いのですが、傷があると弱くてパリッといってしまう。製造するときの傷がなく、磨いて表面の凹凸がないガラスがあれば、強いと思っています。
世界では1000mぐらい潜れるアクリル製の潜水船があります。ダイオウイカのテレビ番組の撮影用に使われていた潜水船です。周囲が見えるのでレジャー用で使われていますね。
JAMSTECの研究者も乗ったことがあって、「買ってくれ」と言われていますよ(笑)。
―アクリルではダメなのですか?
磯崎:無理ですね。