2016年11月19日 12:00
松山ケンイチ、高すぎる技術力が逆に悩みに? 技術を乗り越えた村山聖役 - 監督は語る
そのための最終兵器として、最後の対局を3時間の長回しで撮ることは、念頭にありました。どうやったら松山くんに「村山聖」としてその場を生きてもらえるか、最初は探り探りでしたが、中盤を超えてから、彼の持っている俳優としての幹の太さがどんどん機能してきて。村山聖に没入して、とりつかれているように演じながら、俳優としてどう見せなきゃいけないかも無意識に考えることが出来る。最後の対局の撮影では、その能力の高さに、度肝を抜かれましたね。
○撮影現場での様子
結構、押し引きはしましたね。僕が松山くんの技術を外そうとしていたことは伝えてないし、もちろんその技術にも助けられていたんです。でもこの映画全体を見た時に、そのまま最後まで走らせてはだめだぞと思っていたので、あえて何テイクも重ねたところもあれば、テストなしでいきなり撮ったシーンもあります。
また、実際に村山聖が生きた場所を回って撮影して行ったことや、村山聖を知る人たちが現場を訪れてくれたことなどもいい影響になって、だんだん僕が求めている部分が伝わっていったようには思います。
最後の対局に向けて具体的なアプローチをしながら、言葉にせず彼と対話できていたと思うし、それを彼が直感的に受け止めてくれたのだと思います。