2023年2月5日 09:00
【ネタバレあり】木村拓哉&綾瀬はるか、映画『レジェバタ』話題のラスト…大友啓史監督の意図は?
死ぬ直前まで同じビジョンを共有できる夫婦がリアルにどのくらい存在するのかと考えると、悲劇的に見える2人の人生も見え方が変わってくる。男として女として、そして夫婦として、ある種互いの人生に添い遂げるように、同じ刻に生を終えた2人の人生を、僕はハッピーエンドの一つの形と捉えて撮っていましたね。
――「こうあってほしい」と思いながらのラストという、切なさも強く感じました。
エンドロールにも主題歌などを入れなかったのは、観た方にすぐに現実に戻ってほしくないという思いがあったからです。信長と濃姫の人生をしっかり受け止めていただく時間というか、その余韻を作りたかった。キャスト・スタッフのクレジットと共に「これはフィクションでした」と目が覚めてほしくはない。しばらくは映画の中で起きた出来事に思いを馳せてほしい。二人を手向ける時間になってほしい。
エンドクレジット内の音の構成も、まずは崩壊する本能寺の音の中から、もう一度南蛮音楽が立ちあがってくる。二人の蜜月の頃の姿が、きっと脳裏に思い浮かぶはずです。そして最後は、まさに「最強の二人」という言葉が相応しい、1番勢いのある2人が思い浮かぶような、佐藤直紀さんの壮大な劇伴で終わっています。