映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (10) 木村拓哉と最も距離が近かった男「すごく幸せそうでした」 (4人目:メイク酒井啓介氏)
とか話し合いながら、楽しんでやらせていただきました。
○三池組の木村拓哉は「すごく幸せそう」
――今回の現場で、木村さんと最も近い距離にいたのが、酒井さんだと思います。
話してると本当に普通に感じて、でも普通じゃないというか。近くでお話してると、すごく親しみやすく接してくださるんですが、ふと離れると「おぉ……」という感じ。そのギャップが極端ですね。
――木村さんは右膝じん帯損傷のケガをしたり、相当過酷な現場だったと思いますが、最後のメイクをした日のことは覚えていますか?
最後って何の撮影だったのかな……あっ、金子賢さんとの冒頭のシーンですかね。刀傷を毎日、毎カット作っていたので、「これが最後の傷かな」と思いながらやっていました。2カ月近くですかね。
同じ車に乗って現場に行って、また同じ車に乗って一緒に帰って来る。「またやろうぜ」みたいなお言葉はいただいたと思います。
――現場を共にして、酒井さんだからこそ感じ取ったことは?
三池組というチーム感が出来上がった組だったからこそ、木村さんはどんなつらい現場でも、そういう一体感さえあれば全部楽しんでしまう。すごいなと思いました。一体感がない現場だったら、少し違った現場になったのかもしれません。