2017年6月11日 10:00
映画『無限の住人』8人の証言者たち - 「皆さまのもの」になるまで (18) セットを苦労して作り、自らの手で壊す心境とは? (7人目:美術 松宮敏之氏)
ということを踏まえて、この仕事をやっていてよかったと思うのは、どんな時なんでしょうか?
そうですね……うーん……(しばらく考え込む)。
スタッフ、キャストがセットの中に足を踏み入れた時、スムーズにその世界観に入ってもらえるとありがたいですね。何となく感じ取ることなんですけど。僕らが作っているのは「嘘」の世界。そこで演出、演技が成立すれば、とってもありがたいなと思います。
――これまで『IZO』(14年)、『新・仁義の墓場』(02年)などで三池崇史監督作を担当されました。三池監督には、どんな魅力がありますか。
作品に対して、誰よりもパワーを持っていて、それがグッと表に出る方なので、僕たちも一緒に奮い立たされます。
パワーをもらえる。これは本当にすごいです。一緒に立ち向かっていけるような気がするんです。
――突然、ムチャなお願いをされたりしないんですか(笑)?
まぁ、流れの中でやっていくことなので、そのあたりは全然気にしていません。むしろ、当たり前のこと。無理難題はないです(笑)。
突然雨が降った時には、急きょ雨よけの屋根を作ったことがありました。みんなで1つものを作っていくのが映画ですので、「いま何を求められているのか」