2023年9月10日 19:00
ファーストサマーウイカ、もともと役者志望も“売れてやる!”の念で世に 肩書きは「死ぬ間際に…」
良かったです! ジャパニーズホラーの新しいアイコンとして頑張りたいと思いました。ジャパニーズホラーって、恐怖と一緒に、哀しさとか切なさとか、美しさがあるんですよね。そして同じくらい、面白さや人間の滑稽さが感じられる。またそれが緊張と緩和の絶妙なバランスの上にあって、突然恐怖が訪れたりする。その塩梅をあやつる中田監督の凄さを改めて実感しました。でも最初は、「美雪役、私でいいんですか?」と心配で確認させていただいたんです。
――そうなんですか?
私が怨霊として恐怖を担えるのだろうか、と不安だったのですが、ただ脚本を読んで演じていくうちに、自分と美雪には共通項があるなと感じて。霊に感情移入することってあんまりないと思うんです。
普段、ホラー映画を観て感情移入するのは、襲われて逃げまどう側ですよね。それで怖がったり驚いたりする。けれども、すべてが嫉妬心にむしばまれているような美雪の行動原理みたいなものが、私にはよく理解できて、どの登場人物よりも共感できたんです。だんだん最初に感じた心配がなくなっていきました。
――最初に出されたコメントの中に「生前の綺麗な美雪でいられる時間はほんの一瞬でした」