スマホ依存をやめた結果。デジタルデトックスで手放すメリット
とてもアクティブで、人脈も豊かな知人女性がいます。
10年前にセールで買ったという古い携帯電話を使っていて、たまに会うときは周りから「いったいいつ、スマホに買い替えるつもりなんだよ」とネタにされるほどです。
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「ネットは家のパソコンでしかやらないし、ゲームやSNSもそれほど興味がないのよね。友だちとしゃべりたいなら、会いにいけばいい」という彼女。
ああなるほどな〜、彼女の人脈の広さはこういうところにあるのかもしれない…と思ったのを覚えています。
デジタルツールがますます便利になっていく現代ですが、ここイタリアでは日本ほど「スマホ・パソコン中毒」な人を見ないように思います。
「仕事のときパソコンに向かっているのも好きじゃないのに、プライベートでも画面にくぎづけは嫌」と考える人が少なくないからかもしれません。
とは言え、いったんハマるとなかなか抜け出せないのはこちらでも一緒。
ここでは、スマホデトックスを実現した人のエピソードをご紹介します。
1.スマホを海に落とす
整体師としてリラクゼーションのお店を経営する知人女性は、4年前まで誰もが認めるスマホ中毒でした。
新しい機種が出るとすぐ買い替え、最新のアプリを入れるのに余念がなかった彼女。バカンスの時期になり、彼と行ったビーチで悲劇はおきました。
ビニールボートで海に出たとき、彼女はスマホを落としてしまったのです。
最初こそ彼女をなぐさめていた彼でしたが、小一時間たって彼女が「新しいスマホを買いに行く!」と言い出したときには猛烈に怒りだしたそうです。
「一緒にいても君はスマホばっかりだ。まともに話もできない彼女なんていらない」と言い、その場で彼は帰宅。
「結局、彼は戻ってこなかった。スマホに振り回されてるのに気がついたのはそのときよ」と語る彼女は、あらためて「スマホが必要なとき・不要なとき」を考えてみたそうです。
「考え直したら、メールと電話以外はパソコンでもできる。ネットし放題のスマホ契約も安くなかったし、時間とお金のムダだった」と、普通の携帯電話に買いかえ、メール&電話のみの料金プランに変更。
さらに3か月ほどたったとき「不思議と体が軽い」ことに気づきました。それまで眠りが浅く、起きてからも疲れが残っているような感覚があったのですが「それがまるでなくなった」と言います。
ここからヒントを得て、お店でデジタルデトックスのためのリラクゼーション講座を始め、これが大当たり。今は2か月先まで予約が埋まっているそう。
「あのときスマホを失くさなかったら、こんな風にうまくいかなかったかもしれない。彼を失ったのは悲しいけど、新しい仕事のチャンスを代わりにもらったように思うわ」と語る彼女でした。