連載記事:あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人

子どもに言ってはいけない「なんで○○するの?」声がけは“愛情より戦略”【あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人 第3回】

あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人

あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人

「夫に家事を手伝ってほしいけれど、いつも機嫌が悪くなる」「なにげなくかけた言葉で子どもが落ちこんでしまって」…。コミュニケーションに言葉は欠かせませんが、使い方を間違えると関係が好転することもあれば…

子どもに言ってはいけない「なんで○○するの?」声がけは“愛情より戦略”【あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人 第3回】

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ふだん、何気なく発している言葉は、良くも悪くもまわりに影響を及ぼします。

「うれしい」「楽しい」などのポジティブな言葉は、周囲をハッピーな気分にさせますし、「つまらない」「めんどくさい」といった言葉は、周囲を良い気分にはさせません。

家族の中でも、とくにママと過ごす時間の多い子どもの場合はどうでしょう? ママがポジティブな言葉をふだんから発していれば子どもも安心しますし、逆にネガティブな言葉ばかりでは…言うまでもありません。

ならば、ママたちはふだんからどんな言葉を意識すれば良いのでしょう? 知らず知らずのうちに、子どもに影響を与えている親の口癖について、『話し方で損する人 得する人』(ディスカヴァー・トゥエンティワン)を出したばかりの作家で心理カウンセラーの五百田達成さんにうかがってみました。





子どもに言ってはいけない「なんで○○するの?」声がけは“愛情より戦略”【あなたは大丈夫? 話し方で得する人・損する人 第3回】五百田達成さん プロフィール


作家・カウンセラー。東京大学教養学部卒業後、角川書店、博報堂を経て独立。鋭い視点から「コミュニケーション」「人間関係」を分析し、そこから導き出す実践的なアドバイスは高い評価を受けている。「コミュニケーションのプロ」としてメディア出演多数。著書にベストセラーとなった『察しない男 説明しない女』『不機嫌な長男・長女 無責任な末っ子たち』(ともにディスカヴァー・トゥエンティワン)、『特定の人としかうまく付き合えないのは、結局、あなたの心が冷めているからだ』(新潮文庫)など。米国CCE,Inc.認定 GCDFキャリアカウンセラー。
HP:五百田達成オフィシャルサイト



■子どもへのNGワード「なんでするの!?」子どもへのNGワード

――子どもがかまってほしいのに、忙しくてつい言ってしまう「ちょっと待ってね」。なにか失敗をした直後に口に出してしまう「だから言ったのに」。
ほかにも、つい発してしまう何気ない言葉で、じつは子どもを傷つけているNGワードってありますか?


五百田達成さん(以下、五百田さん):会話全般にいえるのですが、否定的な言葉は極力避けたほうがいいですね。「〜しちゃダメよ」ではなくて「〜するといいよ」。「騒いじゃダメよ」ではなくて「静かにしようね」のほうが、大人だって言われて嫌な気分になりませんね? 子どもも5〜6歳になれば立派な人間です。大人に会話するのと同じように、丁寧に、相手を気づかった言い方を意識すべきでしょう。

冒頭の質問のように、「ちょっと待ってね」と言われても、ある程度成長した子どもでも、どのくらい待てばいいのかさっぱりわかりません。たとえて言うならば、職場で上司から「なる早でお願い」と仕事を頼まれたときと同じです。“なる早”の感覚は今日だったり、1週間後だったり、人それぞれ違います。こんなあいまいな会話ではコミュニケーションとしては成立しませんよね。


だから、子どもにお願いされたときもいい加減な返答はせず、「◯分待ってね」とか「片付けが終わるまで待ってね」ときちんと状況を説明してあげる。そうすれば、子どもも納得して待つことができるはずです。

「だから言ったのに」という一言も、なるべく使いたくないフレーズです。なぜなら、終わったことをグチグチ言い続けるのは、生産性のない会話だから。時間は戻せませんからね。

たとえば、子どもがレストランで水をこぼしてしまったとき。「なんでこぼすの!」と叱るのは、親としてイマイチな対応といえます。とても純粋な人間である子どもは、どうしてこぼしたのかと親に問い詰められたら、怖くて黙ってしまうか、もしくは原因をあれこれ言うでしょう。


でも、親は言い訳を聞きたいわけではなく、反省の弁を聞きたいわけで、子どものウジウジした態度にますます腹が立ってしまうのです。つまりこの質問は不毛なわけです。

では、どうすればいいか? もっと前向きな言葉がけをすればいいのです。

水をこぼしてしまったら、まずは「さあ、このテーブルをどうしよう?」と子どもと一緒に考えます。その後、店員さんに台拭きを持ってきてもらい、テーブルをきれいにしたら、「これから水をこぼさないようにするためには、どうしたらいいかな?」と、じっくり話し合えばいいのです。

子どもにガミガミ言わなくても、親が親身になって話を聞いてあげれば十分反省しますし、ある程度大きい子なら、今後注意するようになるでしょう。ポジティブな会話の方が、お母さんにも子どもにとっても“得”なのです。


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