くらし情報『【『大奥』感想9話】冨永愛と三浦透子、綾なす演技が描く決断の覚悟』

2023年3月10日 18:13

【『大奥』感想9話】冨永愛と三浦透子、綾なす演技が描く決断の覚悟

【『大奥』感想9話】冨永愛と三浦透子、綾なす演技が描く決断の覚悟

※写真はイメージ

その無骨な誠実さは、男女逆転の社会という設定そのものすら忘れさせるような、最初からこういう人物だったのではないかという力強さに満ちている。

そして一度はこれというものを見つけながら結局特効薬ではなかった落胆から立ち上がり、新たな学問に挑む進吉の清々しさも、中島裕翔の持ち味である素直な演技とシンクロした躍動感があった。

行政・現場一体となって尽力しても伝染病を克服することが出来ず、苦い負け戦となったことを認めたその時、吉宗は苦悩しながら呟く。

「滅びぬ道はどこにあるのか」と。

この一連に、昨今のコロナ禍と同時に、現代のこの国の少子化を重ね合わせて見た視聴者も多かったのではないかと思う。

今作の脚本家の森下佳子は、2022年放送のテレビドラマ『ファーストペンギン!』(日本テレビ系)でも、減衰していく日本の水産業をめぐる問題を地方の過疎に絡めて描いていた。
かなさんが書く『ファーストペンギン!』のコラムはこちら

それは、今この場をしのぐことを最優先に考えている層と、多少の失敗や損失を織り込んででも未来に向けて改革の種をまくべきと考える層の、対立と対話を描くドラマだったが、その流れは今作にも引き継がれている。

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