2018年12月14日 11:00
「義父が世界を広げた」ロバート・キャンベルさん語る家族の支え
母はとても社交的な人だったけれど、『もともとお母さんは寂しいんじゃないか』と思うこともありました」
13歳のときだった。サマーキャンプから帰ってきた彼に、母は突然、こう言った。
「ロビー、話があるの。会社の同僚のロニーと結婚しようと思うの」
20分ほど、ソファでキャンベルさんの反応を確かめるように話すと、母はこう切り出した。
「実は今、下のレストランで待たせているけど、会う?」
初対面の継父は、ワイルドな人だった。
「アイルランド系は、貧しくても身だしなみにはうるさいものですが、ユダヤ系ということもあって、彼は自由人。カーキ色のつなぎとカットソーというスタイル。ひげを生やしていて、ゲバラみたいで、すごく明るくて」
彼は弁護士資格を持っていて、母が勤める出版社で、法律関係の書籍の編集者をしていた。
「母は今までの生活では見せてこなかった顔をしていました。すでに、母と継父、2人しかわからないジョークとかがあって、2人の関係が深まっていることは、僕にもすぐにわかりました」
母の再婚には驚いたものの、不安はなかった。子どもが感じがちな複雑な思いも、母を取られるという嫉妬も湧いてこなかった。