2019年2月14日 11:00
犯罪や非行に走った少年少女120人以上を癒した「更生カレー」
「今日は75食分作ります。ご飯は3升炊きますよ」
1月末の土曜の午後。地下鉄有楽町線辰巳駅から徒歩1分の場所にある「Cafe LaLaLa」のキッチンがにぎやかだ。エプロン姿のカフェオーナー・中澤照子さん(77)を中心に、4人ほどの近所の主婦が手伝って、カレー作りの真っ最中だった。
「大事な子どもたちに食べさせるものだから。ゴツゴツと具は大きく。特に牛肉は『肉食ったゾ』と思えるくらいの大きさにね」
そう言うと、中澤さんは手際よく、牛ブロック肉を特大サイズのぶつ切りにしていった。
「夜はまた冷えそうだわね。
来た順にあったかいカレーを食べてもらいましょう」
夕方6時からは、今年最初の「カレー会」。かつて、犯罪や非行問題を起こした少年少女たちが、中澤さんのカレーを食べにやってくる。
中澤さんは、昨年12月23日に定年を迎えるまで、20年もの間、保護司として活動してきた。関わった少年少女は実に120人以上!彼らと真正面から向き合い、更生させ、社会復帰させたのだ。昨年11月14日には、保護司としての長年の功労が認められ、天皇陛下から、藍綬褒章が授与された。
だから、中澤さんのカレーは「更生カレー」