2019年5月10日 11:00
石井ふく子語るこれからのドラマ「ネット検索で本物作れない」
本誌5月7日号にて、人生100年時代を生き抜くために「元気の秘訣を」教えてくれた大正生まれの女性たち。いつまでもエネルギッシュに活躍する彼女らが、「言い残したことがある!」と語り始めたのは、新時代を迎えるにあたっての、社会、そして女性たちへの“激励メッセージ”だった――。
「“4時代を生きる”といっても、私は大正15年生まれなので、幼いころの記憶は昭和から始まります。その昭和の体験が基になり、平成の私があり、令和にも続くのだと思っています」
TBSのプロデューサー・石井ふく子さん(92)はそう語る。石井さんといえば『渡る世間は鬼ばかり』『ありがとう』(ともにTBS系)など、代表作が多数ある。それらのテーマとなっているのは“家族”。
時代をまたいで家庭の持つあたたかさを丁寧に描き続けるのは、いつ家族がバラバラになっても不思議ではない、戦争の体験があったからだという。
「いまでも思い出すのは、女学生時代、精密機械の工場に勤労動員されていたときのことです」
突然、空襲警報が鳴り響き、非難することになった。
本来、石井さんは隊列を先導する役目だったが、工場の作業で遅れてしまい、隊列の最後尾につくことに。