くらし情報『本人は虐待を否定したのに。勝手に行政が“後見人”で国賠訴訟へ』

2019年6月20日 06:00

本人は虐待を否定したのに。勝手に行政が“後見人”で国賠訴訟へ

「このため、現実には専門外の内科医の診断書一つで植物状態同様に“常に判断能力がない”と決めつけられ、精神鑑定も家裁職員による本人の意思確認も行われない“手続き飛ばし”が当たり前に行われています」(宮内さん)

静江さんのケースでも、内科医の診断書1枚に基づき、この二重の手続き飛ばしが行われたのだ。

浩子さんが語る。

「成年後見制度の恐ろしいところは、本人を無能力者扱いして、合法的に本人から自由と権利、財産を取り上げてしまうこと。家裁が後見人に選任した弁護士と市役所の指示で、母は家族との面会を禁じられ、電話もかけさせてもらえなかった。後見人がつくまでの間、施設費を母に払わせるため、市は、母の同意なしに生活保護を受けさせることまでしたのです。母は当時を思い出して“認知症だからという理由で人間扱いされなかった。囚人のように扱われた”と憤慨しています」

浩子さんは母の救出に専念するため退職を余儀なくされた。一方、長女の康子さんは、母親に後見人をつけた津家裁の審判を不服として、名古屋高裁に即時抗告を申し立てた。
申し立て後の’16年11月、ようやく桑名市役所で母と姉、父の面会が実現したが、虐待の汚名を着せられた次女は外された。

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