新型肺炎与える日本経済への打撃 長期化でGDP2兆円減試算
(写真:アフロ)
2月3日、中国国内で新型コロナウイルスに感染して死亡した人の数は、’03年に猛威を振るったSARSの死者数を上回った。人間を死に至らしめる新型コロナウイルスだが、すでに日本経済をもむしばみ始めている。
「中国政府は1月25日、国内の旅行会社に対して、すべての団体旅行を中止するよう命じました。日本を含めた海外旅行も27日から中止になっています。中国からの観光客は年々増えていましたが、今後は当然、インバウンド消費(訪日観光客による日本国内での消費)も激減するでしょう」(経済ジャーナリスト)
具体的にはどのぐらいの経済的損失となるのだろうか?第一生命経済研究所・首席エコノミストの永濱利廣さんは次のように語る。
「’03年に大流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)は、WHOが3月に世界へ注意喚起を促し、4カ月後の7月に終息宣言を発しました。新型コロナウイルスが同じような経過をたどるとすれば、5月ごろに収束すると仮定できます。しかしSARSのころと比べて、日本のインバウンド消費は5倍ほどに増えており、それだけホテルやレジャー施設への影響も大きくなります。