2020年3月2日 11:00
雅子さまのヘアメークも… 親子3代続く宮さま美容師の精神
本番まで、雅子さまに会えるのはたった2回だけ。
「私たちは、まず雅子さまのお顔立ちを研究するために、お姿の載っているあらゆる雑誌を集めたり、デザイン画を何枚も描きました。髪型だけで10パターンは検討しました。(雅子さまは)『私の母も、結婚式のとき与儀さんにしていただいたんですよ』とおっしゃって。長くやっていると、こんな嬉しいご縁もあるんです」
お相手と身近に触れ合う美容師ならではの“気づき”もあった。
「雅子さまといえば、当時、バリバリのキャリアウーマンと盛んに報じられていました。でも、実際にお会いした印象はきゃしゃでかわいらしい方でした」
改めて“内面の美”について考えるきっかけにもなった。
「私たちは塗ったり貼ったりはいくらでもできます。
けれど、その方の内面からにじみ出た美しさを感じた瞬間、一番いいお顔を引き出せたと思った瞬間に、メークを止める勇気も大事なんです。その意味でも、雅子さまのご成婚のメークでは、そのうちに秘めた純粋さや素直さを、お出しできたのではないかと自負しております」(みどりさん)
初代の八重子さんも、いつもこの言葉を口にしていた。
「美の真髄は、その人本来の美を引き出し、元気と生きる勇気を与えること」