くらし情報『寂聴さん「私には最後まで愛する人がいた」30年交流の元スタッフに託した遺言』

2021年11月17日 06:00

寂聴さん「私には最後まで愛する人がいた」30年交流の元スタッフに託した遺言

10年10月、徳島の法話の会で女性を抱きしめる寂聴さん(撮影:西田茂雄)

10年10月、徳島の法話の会で女性を抱きしめる寂聴さん(撮影:西田茂雄)



病室の外では昨夜から秋雨が降っていた。朝6時をむかえようとしているころ、ベッドに体を横たえる寂聴さんに、寂庵のスタッフたちは代わる代わる声をかけた。

「庵主さん、○○です……」

そのたびに寂聴さんは閉じていた目を少し開けて、その声がするほうへ、少しほほ笑んで見える顔を向けたという。

11月9日6時3分、瀬戸内寂聴さん逝去。享年99。一人娘のMさんや京都・寂庵の女性スタッフたちにみとられての旅立ちとなった。

コロナ禍で休止になる前の法話の会では、集まってきてくれた人々に、あの笑顔でこんな言葉をかけていた。

「それじゃあね、みなさんとは、もしかしたらもうお会いできないかもしれません。
もし私の訃報を聞いたら、私は安らかに死んだと思ってください。安らかに死にますからね。みなさんのお幸せを祈っています!」

そんな言葉どおりの穏やかなお顔だったというーー。

■「コロナで法話の会ができないのがとても寂しい」

寂聴さんの法話が最初に『女性自身』に掲載されたのは’89年4月、’87年に岩手県・天台寺の住職に就任した2年後のこと。

関連記事
新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.