2022年4月22日 15:50
マイナ保険証で医療費UPの罠 ちぐはぐ政策に荻原博子が警鐘
なぜでしょう。
背景には、病院側の導入の遅れがあります。4月10日時点で導入済みの医療施設は16.5%(厚生労働省)。国は読取り機を無償配布し補助金も出しましたが、システム交換が面倒で高いランニングコストで利益が削られると、導入をためらう病院が多いのです。
そこで4月の診療報酬改定で、マイナ保険証を導入した病院には新たな診療報酬が追加されました。それが3割負担なら初診時に21円などの料金です。結果、マイナ保険証を導入する病院の利益は確保されましたが、費用負担が患者にのしかかることになったのです。
国は’22年度末までに全国民がマイナンバーカードを持つ目標を掲げ、利便性アップの切り札としてマイナ保険証を推進しています。
ですが、マイナ保険証を使った方ほど負担が増える。なんともちぐはぐな施策といわざるをえません。
そもそも日本のデジタル度は世界から相当遅れています。スイスのIMD(国際経営開発研究所)の「世界デジタル競争力ランキング2021」によると、アジアでは香港が2位、シンガポールが5位、台湾は8位で、日本は28位。遅れを取り戻そうとデジタル庁が発足しましたが、初歩的なミスで情報漏洩が続き、最初の大仕事「ワクチンパスポート」