2022年5月8日 06:00
北条政子は“悪女”だったのか。妻、そして母としての苛烈な愛
演じるこの義母は、一説では政子より年下だったという。
当時としては、すでに婚期を逃し20歳前後になっていた政子が出会うのが、平氏との戦いに敗れて京から伊豆に流された源頼朝だ。流人とはいえ、源氏の御曹司だった頼朝に、政子はぞっこんとなる。頼朝は、今風に言うところのイケメンだったのだろうか。
鎌倉歴史文化交流館学芸員の山本みなみさん(32)が語る。
「頼朝は、背が低く容貌優美、と『平家物語』にあります。坂東(関東)の荒武者とは違う、洗練された貴種の雰囲気をまとっていたのではないでしょうか」
2人の恋仲を知った時政は、平氏側の怒りを恐れ、政子に別の縁談を無理強いしようとする。ところが政子は、これを拒否して婚約者の屋敷を脱出し、夜道を駆け抜け、頼朝のもとへと向かうのだった。
この「愛の逃避行」により、政子と頼朝は21歳と31歳で結ばれる。
「家長の力が絶対の時代に、親の言いなりにならず、自分の意思を通した政子は、情熱的で主体的な女性だったと思います。そして、この選択が、北条氏を歴史の表舞台へと誘うのです」(山本さん)
前出の野村さんは、
「今回の大河でこのシーンはカットされていましたが、『源平盛衰記』などでもかなり情熱的に描かれていて、女性なら大好きなはずのエピソードですから(笑)