2022年6月11日 06:00
女優だけでなくスタッフも…映像業界の“性加害”がはらむ複雑さ「声上げにくい」
そうするうちに『何か声明を出すべきではないか』となり、会が結成されました」
会には4月、『図書新聞』の連載「シネマの吐息」で榊氏の性暴力を実名で告発した女優・睡蓮みどり氏も所属している。
「睡蓮さんは『週刊誌報道で他の被害にあった方々の存在を知り、黙っていることができなかった』と話していました。彼女も長らく性被害の経験に苦しんできた女性の1人。ただ、あのやり方では彼女の立場が危うくなってしまう可能性もあります。そこで早坂さんが『1人で戦うより、連帯しませんか』と連絡を取りました」
なくす会の声明は、2000字以上にもわたる。そこには、こう綴られている。
《制作スタッフにおける性加害・性暴力の事例もあとをたちません。上下関係や会社間のパワーバランス、ジェンダーギャップなどを背景に、加害側の横暴を許す制作体制がパワハラを生み出し、その延⻑線上に性加害・性暴力が起こります》
《極端な過労と睡眠不足によって、気力も体力も失われているところに加害者がつけ込むなど、劣悪な労働環境が性加害・性暴力の温床ともなっているのです》
《加害が明らかになった後でも、加害者がその立場を失うことなく起用され続けることは、加害を擁護することに繋がり、その二次加害によって被害者の回復は妨げられます。