2022年6月11日 06:00
女優だけでなくスタッフも…映像業界の“性加害”がはらむ複雑さ「声上げにくい」
加害者と利害を共有することの責任についても、無自覚ではなかったでしょうか》
この声明を作成するにあたり、港氏は性暴力問題の“複雑さ”を知ることになったという。
「声明は1ヵ月半ほどの時間をかけて作られたものです。会には性被害の当事者が集まっています。そして皆さんそれぞれの苦しみを抱えている分、文言に対して『この言葉は認められない』や『その言葉を使って欲しくない』など多くの意見が集まりました。
そのため、どんどん内容が変わっていき、文章量も増えました。“被害者”と一口に言っても、そのケースは様々なんです」
■俳優だけでなくスタッフも被害にあっている
多様な被害者がいることを知った港氏は、「自分の思い込みに気付かされることもありました」と明かす。
「脚本家は、現場との接点がそれほど多くはありません。ですから会を始める前、僕には『業界内での被害当事者は俳優たちばかり』という思い込みがありました。
しかし、なくす会で話を聞くうちに、スタッフもひどい目に遭っていると認識することができました。
多くは女性ですが、男性が被害者になるケースもあります。会が結成されていなければ、気づかないままだったのかもしれません」