2022年7月31日 06:00
バブルに疲れた人々は『ちびまる子ちゃん』『おどるポンポコリン』のユルさにハマった
翌年には、選抜高等学校野球大会(春の甲子園)の入場行進曲にも選ばれました」
■“昭和のユルさ”がバブル疲れの癒しに
キャッチーな曲調とナンセンスな歌詞が話題となり、B.B.クィーンズの派手なビジュアルも目を引いた。
「時代は平成。バブル経済真っ盛りで、夜の街はディスコだ、イタメシだと、好景気。イケイケどんどんで突き進んでいましたが、同時に個人主義や周りとの競争、欧米発の流行を追いかけることへの疲れも生じていました。そんなとき『ちびまる子ちゃん』で描かれる昭和の家族の温かさや、まるちゃんのユルさ、その世界観を投影した『おどるポンポコリン』は癒しとなり、“そんなに生き急がなくても、のんびりでいいじゃない”と共感されたのでしょう」
そもそも、原作者のさくらももこさんは、幼いころに見ていた、映画“無責任シリーズ”などで人気だった植木等さんの『スーダラ節』への憧れから、“あんな曲を作りたい”と作詞したと、自身のエッセイ漫画で語っている。「だからこそ、軽いノリの歌詞なのでしょうが、制作陣は豪華です。作曲は’90年代のヒットメーカーである織田哲郎さんが担当。プロデューサーは、音楽制作会社『ビーイング』を設立し、B’zやZARD、倉木麻衣、大黒摩季を世に送り出した長戸大幸さんです。