2023年3月30日 15:50
大企業は平均3.8%の賃上げ実現も「中小企業に波及しない」と専門家
末廣さんはこれら4要素を加えた物価指数をもとに「実感に近い実質賃金」を試算した(グラフ参照)。
2012年を100とすると、厚労省の実質賃金は2012年からの累計で6.5%減少しているが、実感に近い“生活実質賃金”はさらに低く、11.8%も下がっている。
「2017年まで社会保険料が段階的に引き上げられたことや、アベノミクスで株価が高騰したことなどが影響しているのでしょう。金融資産や不動産などを持たない一般の方にとっての苦しい生活実感を反映していると思います」(末廣さん)
荻原さんは、国民の所得に対する税や社会保険料などの負担割合を示す「国民負担率」の増加の影響が大きいという。
「財務省によると、国民負担率は10年前は約40%でしたが、今では46.5%。家計が苦しくなっている原因のひとつです」(荻原さん)
実感に近い実質賃金が2012年比で11.8%減だとすると、平均3.8%の賃上げを実現した大企業に勤める世帯ですら、生活が豊かになるかは疑わしい。ましてや、賃金アップが期待しづらい中小企業に勤める人は貧しくなる一方だ。世間の賃上げムードにだまされず、冷静に家計を見極めよう。
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