2023年9月3日 06:00
風の谷の熱血園長 親子の体温、子供の責任感を信念に理想の幼児教育を根付かせた25年の奮闘
22歳で長男を、2年後に次男を授かり自ら母親になったことで、女性の労働環境の改善はより身近なテーマとなる。
「不思議なのは、会社の環境は女性社員にも働きやすいように変わっていくのに、なぜか彼女たちは結婚や出産と同時に辞めていく。
どうして、と思いました。それで調査したら、当時の保育の環境が整っていないことがわかったんです。働きながら、安心して子供を預けられるところがなかった」
そして、決心する。
「私が働く女性を支えるというのは、会社から権利をもぎ取ることじゃなくて、安心して子供を預けられる場所を作ることだ」
10年間勤めた会社を辞めることに、迷いは微塵もなかった。
■幼稚園の教え子の親族が川崎の里山700坪の土地を提供してくれて。借金3億円での船出
退社後は、東京保育専門学校へ2年間通い、31歳で保育士と幼稚園教諭の免許を取得。
自ら2人の息子を保育園に預けながらの、睡眠時間を削っての奮闘ぶりだった。
さらに現場を見てみたいと、公立・私立の幼稚園や認可外保育園でも勤務し、経験を積んでいく。
「ある保育園では、オムツかぶれの子のオムツを洗っていると、副園長に『親を甘やかすことになるから洗わないで』と叱られるなど、もう先生ごとの考えで発言や規則がバラバラなんです。