2023年6月19日 18:00
【ライブレポート】森 大翔、20歳の誕生日に初のワンマンライブを開催 ここからすべてが始まっていく
クリアな響きが会場を駆け巡るとそれだけでオーディエンスの心を揺さぶる。森 大翔は超絶のテクニックと圧倒的な感性を持つギタリストとしても注目を集める存在だ。
アルバム1曲目に収録されたインストナンバー「Prologue〜drift ice〜」からライブは始まった。流氷というタイトルを持つこの曲はブルージーかつ情熱的で、ともすればタイトルとは正反対のような趣すら感じられる。しかし、うねるような速いパッセージの背景に途方もなく大きくて得体の知れないものがゆったりと漂っているのを見ているような感覚になる。彼の出身地である知床の羅臼町で見つめていた景色と彼が見据えるアーティストとしての未来が交錯して音像となっている。
続いて披露したのは「台風の目」。イントロの流麗なギターフレーズから心をぐっと掴まれるようなメロディライン、そして圧巻のギターソロまで、いくつもの才能が森 大翔という一人の人間の中に宿りスパークしている。
ギターがうまいだけではない。歌が歌えるだけではない。曲が書けるだけではない。すべての要素を高次元でやってのけ、それらをひとつにして表現し、放つことができる。稀有な才能とはこのことだ。