くらし情報『加藤拓也「友達の話を聞きに行く感覚で観にきて」 新作『いつぞやは』執筆のきっかけは相手の死後も残るSNS上の会話への違和感』

2023年6月30日 12:00

加藤拓也「友達の話を聞きに行く感覚で観にきて」 新作『いつぞやは』執筆のきっかけは相手の死後も残るSNS上の会話への違和感

――死を前にしながらも、一戸の言動には常に淡々とした、自分の現状を客観視しているような印象を持ちました。そういう状況に置かれた場合、もう少しパニックになってしまう人もいるのではないかと思ったのですが……。

彼がやっていることは、いろんな理由をつけて、死を受け入れようとしていることで、心の奥底では、恐らく死ぬことを受け入れられていない。でもどうしても受け入れなきゃいけない状況に追い込まれた時、受け入れるための理由を全部自分で作っていかないと、それこそパニックになってしまうから、やりたいこともやったし、悪いこともやったし、もしかしたらみんなが70歳、80歳で経験するようなことすらも、自分はこの年齢で経験したんだと自分に言い聞かせています。ひとり分の人生はやり切ったんだと。

――セリフの中には「お金」というワードも多く見られます。病気、就職、結婚、妊娠など、この世代が抱える貧困の問題が、作品の底流に漂っていると感じました。

そうですね。
現実的に癌と暮らしていくことってすごくお金がかかるものですし、それ以外にも僕らの前後の世代にはお金に困っていて、都内で子供を育てるとか、僕らの感覚だと無理だとも思うし、生きるのにお金がかかり過ぎやしないかと思います。

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