くらし情報『四世市川左團次追善『毛抜』ほか上演「團菊祭五月大歌舞伎」開幕レポート』

2024年5月7日 12:00

四世市川左團次追善『毛抜』ほか上演「團菊祭五月大歌舞伎」開幕レポート

以降、左團次家に大切に受け継がれ、四世左團次は左團次襲名の際にも演じて以来の当り役とした。当月は、昨年逝去した四世市川左團次一年祭追善として上演し、左團次長男の市川男女蔵が父の当り役・粂寺弾正に挑み、左團次孫で男女蔵長男の市川男寅が錦の前を勤める。所縁の出演者で名優を偲ぶ今回の上演で、左團次と数々の名演を魅せた尾上菊五郎は小野春道を初役で勤める。菊五郎は男女蔵の弾正について「お父つぁんに大分似てきましたね」と述べている。また、市川團十郎が後見として出演。

小野小町の子孫、小野春道(菊五郎)の屋敷。錦の前(男寅)の許嫁である文屋豊秀の家臣、粂寺弾正(男女蔵)がやって来る。弾正が花道に登場すると、亡き父左團次を彷彿とさせる大らかな姿と、よく通る声に客席からは大きな拍手が送られた。
前半では弾正が腰元の巻絹(中村時蔵)や若衆の秀太郎(中村梅枝)に言い寄って振られてしまう愛嬌を見せ、後半では鋭い知性で小原万兵衛(尾上松緑)の嘘を見破り、錦の前の髪が逆立つ原因を突き止め、派手な見得の数々で何度も観客を沸かせた。弾正は見事小野家の騒動を収め、後見で登場した團十郎に見守られながら、「いずれも様のおかげをもちまして、身に余る大役をどうやらおおせた様にござりまする。

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