2024年3月26日 18:00
大貫妙子×山弦 まっすぐ伸びる歌声が客席に爽やかな風を送り込んだ「TOKYO春爛漫 〜萌芽編〜」レポート
山弦のギターから漏れる弦の擦れ音、大貫の歌声から漏れるブレスといった譜面上に描かれない音のひとつひとつが、その歌と演奏を同じ空間で聴くことの醍醐味を増幅させる。続く「緑の風」では、サラサラした音色とまっすぐ伸びる歌声が客席に爽やかな風を送り込み、自然と人々の身体を揺らした。
「緊張する…何年歌ってるんだ(笑)。山弦も緊張する?」(大貫)
「緊張しますよ。緊張しなくなったら終わりだと思ってますから」(佐橋)
「何が終わるの?」(大貫)
「色々と(笑)。リハーサルは緊張しないのにね」(佐橋)
「俺は本番のほうがちょっと緊張しない。
リハはわりと緊張する」(小倉)
「いつまで続くの?その話」(大貫)
特に話す内容も決めてこなかったと思われるMC。20年以上前には両者で全国ツアーを廻ったこともあり、もはや旧知の友といえるその関係性は、年々、この両者のジョイントステージに濃厚さを与えているのだろう。2001年にコラボCDとして発表した「あなたを思うと」には、お互いの呼吸を感じながら進んでいく自由度の高さと、熟成されたワインのような重量感の両方を感じられた。高低差のあるギターのユニゾン、丸く甘みのある歌声。