2021年9月15日 12:00
「愛は祝福であり、呪いでもある」リサ・ジョイ監督が語る映画『レミニセンス』
「この物語はひとりの探偵の旅でもあるけど、心の旅でもあるの。愛というもの自体が祝福でもあり、呪いでもあると言って良いと思う。必ずラブストーリーには悲しい終わりが待っている。私たちは人間なのでいつかは死んでしまうから。ハッピーな関係を築けたとしても、誰かが亡くなってしまって悲しくなってしまう。だからと言って誰かを愛さないというわけではない。そこには価値があるの。人と繋がったり、愛することは人生にすごく大きな意味があることだし。
人生というものには痛みもあるけど、同時に美しくもあって、愛というのもまたひとつの奇跡だと思う」
主人公のニックは事件の謎を追い、そこに潜む陰謀を追いながら、姿を消したメイとの記憶の中を彷徨い、それらが水が流れていくように消え去ってしまうのを止めようともがく。時間は過ぎていく。人はいつか死んでしまう。水は流れていく。それでも主人公は追うことをやめない。それは愚かなことなのか?
本作は、記憶の中に潜む謎を解くサスペンスであり、永遠に解けない、言葉では説明のつかない感情を描いたノワール劇でもある。すべての謎が解けた時、それでも解けない謎が観客の中に深く残ることになるだろう。
『レミニセンス』
9月17日(金)公開
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