2023年12月27日 12:00
福士誠治×麻実れい 大作『インヘリタンス―継承―』に挑む!「人生の6時間半をください」
息子への切なく、温かい思いをちゃんと私を通して伝えたい、頑張れば伝えられるんだと、この歳になってその機会をいただけたことを大事にしたいですね。福士さんは今年40歳になって、私は74歳になりますけれど、幸せだなと思います。まずは自分に対して戦わなくちゃいけない。その戦いを終えて、次の段階に行かなくちゃいけないと思っています。(福士に)よろしくお願いします。
福士こちらこそ、よろしくお願いします!
世代によって異なるエイズに対する感覚
――前篇、後篇に分かれた台本を読んだ感触、全体の印象についてお聞かせください。
福士やっぱり“継承”を強く感じましたね。エイズというワードひとつとっても、僕が演じる30代後半のエリックと、山路和弘さんが演じる60代のヘンリーと、また新原泰佑君が演じる20代のアダムなどでは、エイズに対する受け止め方、認識がだいぶ違う。
幅広い世代の人間が集まっているところが興味深く、やはり時代を経て来た社会問題であることが読み取れます。幸せでいると分からないことを、不幸せの中で見出す……という言い方はおかしいかもしれませんが、人間はこれでいいのかもしれないなと思わせてくれる、本当に小さな優しさ、それが詰まっている作品だなと思いました。