2024年2月19日 13:15
清原惟監督『すべての夜を思いだす』ご当地・多摩ニュータウンで先行上映イベントを開催
横溝惇
司会南波さんと横溝さんのご感想について清原監督はどう思いましたか?
清原監督すごい面白いというか、私もいろいろ気づきがあるお話でした。死は映像に記録されないというお話がとても印象深かった。そういえば、ニュータウンの計画された区画の中にはセレモニーホールのような施設が無いことに気づきました。ニュータウンの中で生活できるように計画されているはずなんですが、実は死はあまり可視化されていなかったんだなと。ニュータウンの街並みのクリーンさや、そういうイメージと、でもその中に人は生きているわけだから絶対に死はある、ということを考えたことを思いだしました。司会映画を作るためのリサーチはどのように行ったのですか?
清原監督物語には直接反映されていませんが、1970年~80年代に多摩ニュータウンに引っ越してきた女性の方々に話を聞きました。ニュータウンが出来たばかりで、一番盛り上がっていた時代の話を聞く中で、私が知っているニュータウンは時間が経って落ち着いてきた姿ですが、全然違う世界が広がっていたことを知りました。この映画では現代のニュータウンしか描かれていないのですが、横溝さんがおっしゃったようなレイヤーのようなものがその背後には常にあるというか、私たちの生活自体がそういう風にできているというか、過去に生きてきた人たちの時間があって自分たちの時間があるということを、リサーチをする中で改めて実感し、そういうことが直接的だったり間接的に、この映画に活かされていると思います。