2023年9月11日 12:00
松本幸四郎×市川染五郎 「秀山祭九月大歌舞伎」で初役に挑戦、そして親子競演も。
やっと本当の気持ちが言葉になって出てくる。この時の感情をどう爆発させるかが大事になってきます。
情報量がはるかに多い時代。取捨選択しながら、もっともっと「大変になってほしい」。
――昨年六月に『信康』で染五郎さんは初めて歌舞伎座で主演を勤められました。
幸四郎去年そこからスタートして一年たち、やっと二年目に向かっているということだと思います。今も大変だろうと思うけど、もっともっと大変になってください。って言われても困るよね(笑)。
染五郎はい(笑)。作品の真ん中に立たせていただくことは大きな経験でしたが、そのことで舞台への思いが何か大きく変わったということは全くないです。どんな役、どんな舞台でも、役を勤めることに対しての心持ちはその前後で変わらないです。そしてどんな役でもそうですが、過去のいろいろな方々の勤めてこられたときのことを調べて、これは使うべき情報、これはそうではない情報などと見極めて、その都度役と向き合っていきたいですね。幸四郎我々の仕事って、出来ないことを「出来ないもん、できるわけないじゃない?」って言ってしまえばそこまでなんです。出来るようにする、知らないことを知る、わかるようにする、まさに一生それの連続。