2023年10月18日 11:30
『生誕120年 古賀忠雄展』11月17日より開催 約30点の塑像に加え全国に設置された作品のパネル紹介も
たとえば、粘土でつくった原型が他者の手を経て、ブロンズなどに鋳造されて完成形となり、ときにはその型から異なる年代に異なる仕上げで複数の作品がつくられる可能性があること。あるいは、そうしてつくられた作品が公共の場に設置されると、作家個人の範疇を超えた意味が生まれる場合があることなど、塑造には様々な側面があるのだ。
同展では、ブロンズ像とともに石膏原型の展示のある作品もあり、また古賀作品約60点が常設されている所在地を調査してつくられた練馬版や全国版のマップの紹介などもある。約30点の魅力ある塑像作品と、そうした手厚い調査の成果が合わさって、複製性や公共性といったこれまであまり意識していなかった観点から、塑造・塑像を見て考える機会が生まれている。
なお、同館では古賀の没後の1988年にも個展を開催しているが、今回はその際には提示されなかった戦時中の活動の紹介もあるという。新たな知見に出会えるのも楽しみだ。
<開催情報>
『生誕120年 古賀忠雄展 塑造(像)の楽しみ』
会期:2023年11月17日(金)~2024年2月25日(日)
会場:練馬区立美術館 2階展示室
時間:10:00~18:00(入館は17:30まで)