(撮影:友野雄)
蒼は、光り輝く世界で生きていくのは不可能だと諦めていた
山田涼介にとって愛とは何ですか。そう尋ねると、間髪を入れずに「わからないですね」と照れたように笑い飛ばした。その瞬間、「神々しい」という形容が決して大袈裟ではない面貌に、等身大の青年らしい茶目っ気が覗き見えた。
「わかっていたら、いい歌詞とか書いてるんじゃないですかね」と茶化す山田に、ついそんな哲学的な問いをしてしまったのは、映画で描かれる愛があまりにも美しかったからだ。
1月26日(金) 公開の映画『サイレントラブ』で山田が演じたのは、声を失った孤独な青年・蒼。不慮の事故で目が不自由になったピアニストの卵・美夏(浜辺美波)と出会った蒼は、献身的なまでの優しさで美夏を支え守ろうとする。ある種犠牲的とも言えるほどの蒼の愛は、山田涼介の目にどのように映ったのだろうか。
「蒼の愛は、無償の愛とはまた違う、どこか美夏に自分自身を投影したところのある愛だなと思いました。
ピアニストの夢を追う美夏を守ることで、蒼もまた夢を叶えられる気がした。僕は愛に重いも軽いもないと考えていて。一風変わった愛の形ではあるけれど、すごく素敵な愛なんじゃないかなと思います」