くらし情報『デジタルを使わずに核実験の視覚化に挑戦!『オッペンハイマー』に見るノーラン組の並々ならぬこだわり』

2024年3月14日 17:00

デジタルを使わずに核実験の視覚化に挑戦!『オッペンハイマー』に見るノーラン組の並々ならぬこだわり

そこで『インターステラー』『TENET テネット』にも参加した特殊効果のスーパーバイザー、スコット・フィッシャーと、『TENET』に続いて参加するアンドリュー・ジャクソンは、スタッフと共に“デジタルを使わない撮影方法”を挑むことになった。

彼らは撮影前に様々な実験を行なった。ピンポン玉をぶつけ、ペンキを壁にぶつけ、発光マグネシウム溶液を作成し、それらを距離やフレームレートを変えながら撮影してみる。最終的な視覚効果は400以上の要素を複雑に組み合わせて作り上げられたが、“どうやって撮影されたのか?”については秘密のままだ。

デジタルを使わずに核実験の視覚化に挑戦!『オッペンハイマー』に見るノーラン組の並々ならぬこだわり


中にはどう考えても撮影が複雑になるであろうシーンもあった。たとえば原子核内で動き続ける素粒子を描くシーンだ。しかし、それらは絶対に描かれる必要があった。ジャクソンは振り返る。


「原子核内で絶え間なく動く素粒子を描かねばなりませんでしたが、それはオッペンハイマーの複雑な精神状態を表現するために絶対に必要だったのです。あの当時は素粒子の動きの完全な理解はありませんでしたから、それを正確に描き出すことはできません。かといって、解説用のコンピュータ画像も、私たちが望んだ深みには達しません。

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