2022年7月1日 12:00
伝説のスターの“魂”を救済する。バズ・ラーマン監督が語る映画『エルヴィス』
ロックンロール、ポップカルチャーを語る上で欠かすことのできない伝説的なスター、エルヴィス・プレスリーの生涯を描いた大作映画『エルヴィス』が本日から公開されている。
『ムーラン・ルージュ』や『華麗なるギャツビー』を手がけた才人バズ・ラーマン監督は、長い時間をかけて彼の生涯をリサーチして制作にあたったが、最初からプレスリーの伝記映画をつくる気はなかったという。
では、彼は本作で何を目指したのだろうか? その大きくも脆い存在にシンパシーを感じながら、スクリーンを通じてエルヴィスと自身の“心の声”を描き出したラーマン監督に話を聞いた。
史上最も売れたソロ歌手で、キング・オブ・ロックンロールとも称される伝説的な音楽家エルヴィス・アーロン・プレスリー。その存在と彼の残した楽曲、ステージは単に音楽ファンに愛されただけでなく、人々に衝撃を与え、その後のポップカルチャーのあり方そのものに多大な影響をおよぼした。
本作は、米国テネシー州メンフィスのサン・レコードに所属していた若い歌手エルヴィスが、“大佐”と呼ばれるマネージャーとの出会いをきっかけに人気を博していくところから物語が始まる。やがて彼の人生は熱狂と拒絶、迷いと確信の間を行き来するようになり、映画は華やかで圧倒的なステージからは想像もできない彼の孤独な心の内を描き出していく。