2024年4月17日 06:00
【スニーカー解説】「シャネル」「グッチ」「ヴィトン」続々…ハイブランド参入で市場変化も「顧客層はほとんど一致しない」
ハイブランドが参入してきた結果、今のスニーカー市場がさらに盛り上がったかと言うと、必ずしもそうではない。何故なら、それらのハイブランドが作るスニーカーと既存のスニーカーメーカーが抱えている顧客層はほとんど一致しないからです。
先日、某ハイブランドがニューヨークで開催した展示会に参加しましたが、スニーカー1足の値段が4000ドルを超えていて、さらに年間1000万円ぐらいそのブランドのアイテムを買うお得意様だけにしか売らない。そうなるとバイヤーも顧客も「見るだけでいいや」と半ば諦めてしまうものです。
なにより、みんなが買える価格だけれど自分しか持っていない、というのがスニーカーマニアの心を掴むものです。しかし、ハイブランドのスニーカーはそうではない。あくまで一部の富裕層を対象として売り買いされるものであり、ある意味で未公開株と同じ仕組みと言えるでしょう。
ただし、既存のスニーカーファンに支えられてきた市場に加えて、ハイブランドの参入によって新たな市場が誕生したことで、スニーカー市場全体の経済規模はここ数年の間で確実に拡大しましたし、新たな影響が生まれつつあります。
また、ある程度の棲み分けがなされているとはいえ、スニーカーファンでありハイブランド好きという層もゼロではありませんし、今までハイプスニーカーにしか興味がなかった顧客がハイブランドのスニーカーに興味を持って購入したり、というケースも増えてきました。