2024年4月24日 06:00
「プレ値が付いているからみんなが欲しがるモノに間違いない」二次流通市場がこの10年で拡大、購買心理も変化【スニーカー解説】
二次流通で特に高額がついているモデル「AIR JORDAN1 RETRO HIGH THE TEN CHICAGO」
スニーカーをあらゆる側面から解説した『スニーカー学』(KADOKAWA刊)が発売された。著者は、スニーカーショップ「atmos」創設者で、スニーカービジネスの表と裏を知り尽くす業界のキーパーソンとしても知られる本明秀文氏。二次流通、プレ値、SNS消費、インバウンド、投資、NFT、真贋鑑定、コラボ、テック系といったキーワードをもとに、スニーカーブームのからくりや、「投資財」としての役割なども解説する。同書から、二次流通市場の拡大背景について解説した内容を、一部抜粋して紹介する。
■二次流通のスケールアップ
2014年以降のスニーカー市場で非常に特徴的なのが、一次流通と二次流通の境目が曖昧になっていったことです。
なぜなら90年代のスニーカーブームは一次流通で完売したアイテムが、二次流通市場においてプレ値で転売されることで熱狂していきましたが、今は逆に二次流通で付加価値が付いた時の価格を前提として、一次流通で売れ行きが左右される状況になっているからです。いわば、転売需要を織り込むことで一次流通が成立している、と言えるでしょう。