自らの戦場体験を描いた2008年製作の『戦場でワルツを』がアカデミー賞外国語映画賞ノミネートをはじめ、世界中で大反響を呼んだアリ・フォルマン監督。いまや注目の映画作家となった彼が、新作『コングレス未来学会議』で『惑星ソラリス』の原作者スタニスワフ・レムのSF小説の映画化に挑んだ。
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まず、最初に今回レムの原作『泰平ヨンの未来会議』を手にした理由を監督はこう明かす。「レムの小説を初めて読んだのは16歳のとき。すっかりトリコになってね。映画学校に進んだとき、今回の原作を再び手にとって、こう思ったんだ。“いつか映画化したい”と」
いわば念願の映画化。ただ、共産主義体制の時代を現代のハリウッドに置き換えるなど、大胆に翻案している。
「原作の世界観を大切にしながら、現代に沿わないところは今に見合う形に変えることを決断した。現代を生きる人々に届けるわけだから」
こうして生まれた物語は、ハリウッドで活躍する実力派女優のロビン・ライトが演じる女優のロビン・ライトが主人公。40歳を過ぎた彼女はその美貌も人気もピークを過ぎている。時を同じくして、ハリウッドは俳優の絶頂期の容姿をスキャンし、そのデジタルデータを自由に使い映画を作るシステムとビジネスを発明。